対談:須田春海氏、デニスヘイズ氏  司会:星野智子氏

星野氏
星野智子
ここからは二人の対談ということで、久しぶりに会って、こんなことを聞いてみたかっんだとか、これを伝えたかったんだというのを、通訳さんを介してですが、ぜひお話をしていただければと思います。お二人の……活動家の人たちの経験を、皆さんに満足して持ち帰っていただければと思います。それでは、須田さんからおねがいいたします。
須田氏
ぼくらちょうど同じ年、1942年生まれです。(デニスさんが44年生まれだと訂正)二つ下だ。ぼくが二つ上なんですね……。(笑) それである意味ではアメリカの市民と日本の市民というのは……ぼくらはアメリカの市民から学ぶことが多いですが、同時代的な経験をずっとさせていただいてる。ぼくらの市民運動の、ある意味では、まあ、分かりやすい言葉で言えばお師匠さんだよね。ラルフ・ネーダーっていう人。この前ネーダーは、二回大統領選挙に立候補して……なぜ立候補したのかぼくにはよく分からない。それで、結果としてブッシュが当選してしまったといわれてるんですが、そのことについてどう思いますか?っていうのを、ちょっと聞いてみたい。
デニス氏
私はラルフ・ネーダーに、大統領に立候補しないようにと強く説得していました。彼が立候補してもケリーの票が減るだけでしたから。彼はどうして立候補するのか、ちゃんとした説明をせずに、勝てると思うとだけ言い続けていました。彼は自負心が強かったんだと思います。
もっと大きな問題は、「どうしてブッシュが勝ったか?」です。ブッシュとケリーとでは環境面にどれほど大きな違いがあったのか、そこを認識することが重要です。ブッシュは環境問題に関してアメリカ史上最悪の大統領です。ケリーはこれまでのアメリカの大統領候補者の中で、一番の環境保護論者です。この違いは大変なものです。そして選挙は接戦でした。約3億人の国民のうち、あと5万人がケリーに入れていたなら、今頃彼は大統領です。あと5万人だけですよ。でも環境問題は大統領選の論点ではありませんでした。ブッシュはテロリズムと経済状態に注意を惹きつけておく、とても効果的な選挙活動を行いました。そして、ケリーはとてもいい大統領になっただろうとは思いますが、彼はブッシュほど選挙活動が上手ではありませんでした。つまらないところでケリーは私とそっくりです。ほとんど笑顔を見せないところとか。人類の未来が誰かの笑顔の頻度に左右されているなんて、信じがたいことです。しかし私たちは実際に負けてしまったのですから、次は勝たなくはなりません。
須田氏
須田春海
ちょうどそのアメリカの大統領選挙の結果を、僕らもずっともう……4年前も徹夜の状態で見て、で今年もまあ一生懸命見て、そのあとアメリカの大学の政治学者が分析した結果を見ますとね、その、赤と青、共和党と民主党の赤と青、こう混ざると、パープルアメリカっていう分析をしてる、っていうことが書いてあった。都市は圧倒的に民主党の支持ですね。それで多くの地域・地方は共和党の支持ですね。僕がすごく懐かしく感じたのは、この構図は実を言うと日本がずーっと引きずってきた構図なんです。僕はその、1960年/70年に革新自治体の仕事をしましたって言いましたが、そのとき都市は全部リベラルですが、全国はずっと圧倒的にコンサーバティブ。で、気がついたらその間にももう1回、都市は新保守主義の流れになっています。まぁ、わが東京都の石原君も含めてそうですね、ちょうど今デニスさんもその中にいて、相当、なんか苦しいだろうなという気がすると同時に、俺の気持ちが分かったかい、と言いたいという……。(笑)
議論をばっと変えますが、デニスさんはグリーンシールをずっと一生懸命やってましたけど、今グリーンシールはどうなっているのでしょうか。
星野氏
では、グリーンシールの説明を含めてお願いいたします。
デニス氏
今では様々な製品にいろいろなグリーンシールをつけています。私たちが認定しているのは、例えば持続可能な伐採方法をとった木材や木製品。持続可能な農業、農作物、衣類。持続可能な漁業、同じく海産物。その活動の中にはとても良いものがあります。しかしアメリカでは個人が購入する製品、つまり家、自動車といったものが最も環境破壊に加担しました。みんな環境に与える影響についての情報はたくさん持っているのに、それでも多くの人が自ら悪い選択を続けています。だから、人々に情報を提供するグリーンシールと、低燃費規格の自動車など連邦議会で法的に規制することとは連携する必要があります。
日本で環境対策向けのラベルやシールは広まっていますか?
須田氏
えっと、みなさん見たことありますか。まぁ、エコマークというのが日本にありますが、基準は非常に緩いものです。で、デニス・ヘイズさんがずっと関わってきたグリーンシールというのは非常に、そのものができるところから壊れるところまで、非常に厳密な調査をして新しいシールをつくろうとしたのがグリーンシール。それに匹敵するものが残念ながら日本にはないと思います。ただ、これは矛盾でして、消費者は出来るだけ簡単に分かりやすいもので、そんなに深刻に考えずに簡単にいいものを選びたいと思いますね。で、そういう意味では、今、省エネラベルが少しずつ普及してきたという感じかな?
デニス氏
デニスヘイズ
グリーンシールの認定基準は非常に厳しいため、基準を満たす製品はごくわずかに限られています。その結果、グリーンシールはあまり広まっていません。なぜなら大半の人々は、安く、使いやすい製品であれば、それらを購入するからです。 しかし、一つ例外もあります。オーガニックな食べ物や持続可能な方法で栽培された食べ物に関しては成功をおさめています。人々は、自分や自分の子どもたちの体に直接取り込むものに関しては、害がないよう注意を払おうとします。たとえ、その動機が環境への配慮というより、個人の健康のためであったとしても、環境によい影響を与えていることには変わりありません。
星野氏
日本でもそういう流れにはなっているのかなぁと思います。今、そのグリーンシールのお話もありましたけれども、今そのアースデイのムーブメントから実際に、商品のお話ですとか、ソーラー、太陽の話といった具体的なアクションのお話を伝えていただきましたが、もう一つ、別のトピックでお伺いしたい、ここで皆さんとお話したいと思いますが、いかがでしょうか。
須田氏
京都議定書にアメリカが復帰する可能性っていうのは、やはりブッシュが変わらない限りないだろうということですね……。それと同時に、アメリカの企業は、排出量取引についてどう考えているのかわかりますか? 排出しているCO2のどれだけの量を取引しているか、それに関しては非常に国際的には関心を持って動いているようですね。その関係はどうだろうか。
デニス氏
いくつかありますが、第一に、ブッシュ政権と共和党議会は、京都議定書を批准しないでしょう。そのため、アメリカが国家として京都議定書を批准するのには、次の選挙まで待たなければなりませんが、州や地域レベルでは、様々な活動が行われています。例えば、連邦議会は自動車に対する厳しい二酸化炭素排出基準を設けようとはしていませんが、例えば10の州で高い自動車の排気ガス基準を設けています。とても厳しい二酸化炭素排出基準です。その中には、カリフォルニアや、ニューヨーク、マサチューセッツ、ワシントンといった大きな州も含まれており、これらの州の二酸化炭素を中心とした温室効果ガス排出量を全て足すと、世界で三番目に多い排出量となるでしょう。一例として、私の住んでいるシアトルでは、京都議定書を一都市として批准しています。私たちは確実に基準を満たすために、市民委員会を設けており、スターバックスの経営陣と私が統括しています。また現在私たちは、アメリカの200の都市がさらに京都議定書を批准し、温室効果ガスの排出を抑えることを誓うよう、活動を広めています。連邦議会がどうあろうと、都市は独自に行動を起こしていくことができるのです。須田さんが仰っていた様に、都市は国家に比べ民主的で環境保護的です。実際に主に二酸化炭素が排出されている場所は、その都市なのですから、環境改善に向けてまだまだ前進していけると思います。また、面白いことに、私たちは農場のサポートもしています。それは、農場主も風力エネルギーとバイオマスを望んでいるからです。
須田氏
わたくしもここ十数年、環境を重視する市長・町長の集まりである「環境自治体会議*1」の活動に取り組んでいます。日本の自治体は、アメリカに比べ権能が弱いため、はなばなしい成果は上げていませんが、広がっています。関心領域が重なっていることを、とても心強く思います。
*1) 環境自治体 http://www.colgei.org/
星野氏
須田さん、デニスさん、興味深いお話をどうもありがとうございました。
アースデイムーブメントの起こった頃のお話や、日本と世界の環境運動の歴史、そこからつながる現在のご活動など、幅広く知ることができました。運動の仕掛け人であるお二人のお話が直接聴けて、とても貴重な時間でした。須田さんがおっしゃったように“社会の仕組みを変えていく”そんなムーブメントをみなさんとこれからも続けていけたらと思います。今日は環境運動のリーダーであるお二人にお会いできて、私自身も、とても励まされました。
須田さん、デニスさん今日は本当にどうもありがとうございました。またこの機会を作ってくれた上岡さんはじめスタッフのみなさん、どうもありがとうございました。
プリンタ用画面
投票数:26 平均点:5.00
前
デニスヘイズ@アースデイサロン2005
カテゴリートップ
アースデイサロン2005

アースデイJP ログイン
ユーザID または e-mail:

パスワード:

IDとパスワードを記憶

パスワード紛失

新規登録
アースデイ特集
メインメニュー

アースデイ(地球の日)は4月22日、毎年Earth Dayの期間には世界各地で持続可能な社会を表現する、自由なイベントやアクションが行われています。
アースデイJPでは、多様なコミュニティーが開催する、日本各地のアースデイー情報を発信しています。

translation korean chinese english