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アースデイ◎1990 カリフォルニアからの呼びかけ

 地球は病んでいると誰もが気づいていますが、地球の温暖化、オゾン層の破壊、熱帯雨林の破壊、その他さまざまな世界大の脅威を前にしてたいていの人が無力感を抱いています。

 「アースデイ◎1990」は、この絶望感に打ち勝つためのものです。これは、人間は一人ひとりでも、あるいは集団でも、重要性を認識して一緒に力を合わせ、とてつもないことを成し遂げることができるのだという信念に根ざしています。

 この環境の危機は、地球規模のものですが、人知の及ばないものでも私たちがくい止められないものでもありません。まさにこの危機というものは、これまで私たちが行ってきたこと、これまで私たちがとってきた政策・やり方の結果なのです。地球上に生きている私たち人類がこの泥沼に自分たちをおとしれているのですから、私たち自らがこれを救い出すべきです。

目標

 1990年4月22日に行われる「アースデイ◎1990」は、地球を安全で公正で持続可能なものにするための長期的な活動の幕開けを告げる催しです。これは、教育、経済、政治、芸術など幅広い分野で行われます。

 地球上にさまざまな生物が共生し、人びとが健康に暮らし、更新性のある農業を営むことをめざす「国際環境の10年」がアースデイから始まります。これは社会の広範な各分野を巻き込んで、環境にとっての健全な商品、投資、政策を支持する大きなうねりをつくろうというものです。

 たとえば次のようなことを望んでいます。

  • 全世界でのフロン化合物の禁止を5年以内に完全実施する─フロン化合物は地球のオゾン層を破壊し、地球の温暖化を招く。
  • 二酸化炭素の発生を抜本的にしかも継続的に減らすことによって、地球の温暖化の速度をゆるめる。そのため自動車のガソリンの効率性の基準を高める、石油に頼らない交通手段を早急に採用するなど。
  • 温帯および熱帯の森林の保護・保存。
  • リサイクル不可能または分解不可能の材料による包装やビン類の使用を禁止し、あらゆる地域で強力な効果のあるリサイクルを実施する。
  • 更新性のあるエネルギー源に速やかに転換する。
  • 民生用および工業用の大幅な省エネルギーを断行する。
  • 発生源を断つことに重きをおいた詳細な有害廃棄物縮小計画の策定。
  • 絶滅に瀕する種の保存と生息地の保護を強化する。
  • 大気圏、海洋、その他地球上で共有・共用しているものを国際間紛争から守るための強力な権限をもつ国際機関。
  • 個人、地域、および国によってこの地球の環境を守ろうという新たな責任感の確立。

1990年の国際情勢

 1990年は国際的な環境問題への関心を喚起するにはうってつけの年です。多くの国のニューリーダーたちがそれまでのリーダーよりも環境問題に関心を抱いています。発展途上にある多くの国ぐには、今では持続可能な開発モデルを模索しています。

 環境問題は東西のイデオロギー的確執を越えて広がっています。最近ソ連のシュワルナゼ外相は国連で「人と自然が共生できるオルタナティブなテクノロジーへの切替え」を訴える演説を行いました。

 環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)の報告書である「われら共有の未来」が国際的な政策立案者の間に大きなインパクトを与え、環境への関心が非常に高まりました。世界の政治家たちも環境危機の多様な局面における対処が急務であることを理解するようになりました。

1970年に行われたアースデイ

 1970年には、アメリカの1万の学校、2000の大学、その他ほとんどすべてといってよいほどの地域社会がアースデイに参加しました。そこでは、自然の中を歩くというようなことから公害を出す企業に対する直接行動というようなことまでさまざまな活動が展開されました。ニューヨーク市では市長が5番街からすべての自動車を締め出し、サンフランシスコでは10万人が「エコ・フェア」に繰り出しました。

 連邦議会は、議員たちがそれぞれの出身地で討論会等に出席できるよう、正式に休会にしました。アメリカにある全部で三つの商業テレビネットワークは全米各地のイベントの実況中放送を行い、また公共放送は一日中アースデイの特別番組を編成しました。多くの全国紙・地方紙は環境問題だけの特集記事を組みました。そしてじつに2000万人以上の人びとが自らの環境への関心を何らかの形で表現するためにアースデイに参加したのです。

 このアースデイを頂点に、その後も引き続き人びとの関心が環境問題に払われるようになり、それが環境保護庁設置をはじめ大気浄化法、水質浄化法、その他さまざまな環境保護法整備など一連の成果を生み出したのです。

構成

 アースデイ◎1990は、まさに「地球的に考え、地球で活動しよう」という言葉がぴったりです。どの国でも、どの町でも、どの地域でも、学校でも、独自の目標を立て、それぞれの問題に取り組みましょう。国際的、国内的、地域の組織がいろいろなサポートをします。しかし結局は、ニューヨーク、フランクフルト、ナイロビ、サンパウロ、マナグア、デリー、モスクワ、ペキン、メルボルンなど、それぞれの地域における成功はその地域の組織化の才にかかっています。

 どの国も独自に、どこで、どのようにアースデイ◎1990に参加するかを決めなければなりません。ブラジルではよい戦略であっても、モスクワでは影響力がないかもしれませんし、日本では重要な問題もケニアではそうでないかもしれません。アースデイの国内の「構造」は、共有する価値観をわかちあいながら、自立的なグループのゆるい連合としてそれぞれのグループが独自に活動する必要があります。

 国際協議会は、この問題には国際的な努力と国際的な感覚が必要であるということを喚起するためのものです。アースデイ◎1990はブルンドラント委員会の報告の成果である「われら共有の未来」センターとの緊密な協力関係のもとに行われます。数多くの国際的な環境グループとともに、「人類生存と発展のための国際基金」もアースデイに協力します。世界各地の一万以上の団体や個人には、アースデイと世界各地での活動についての情報が配られます。

 すでに多くのイベントがアースデイ◎1990のために計画されています。大都市でのエコロジー・フェアー、国際衛星会議、学校でのコンサート、地球環境を観察するツアー、宗教行事など、いずれも地球環境を守ることに責任を持つことを強調するものです。

アースデイで何をするか

 アースデイは国を越え、経済や文化にもまたがるものです。多くの重要な争点(イシュー)が扱われるでしょう。地域や地方、全国レベルで、どのように参加するのがよいかを決める必要があります。どのような活動でもそこに一貫した哲学が含まれていれば、それがまとまって一つの大きな力となります。たとえば、世界的な取組みのテーマには次のようなものがあります。

10億本の木
木は環境上すばらしいものです。大気から炭酸ガスを取り除き、その他の有毒物質も吸い込み、浸食を食い止め、薪になり、風を弱め、砂漠化を防ぎ、そして、涼しい日陰をつくってくれます。アースデイに参加するすべての人が少なくとも1本の木を植え、それが根づくまで世話をするようにします。
政治家への働きかけ
世界中の国ぐにで国会(連邦議会)や地方議会を一日休会とし、議員たちが自分の選挙区にもどって、選挙民が環境に対してどのような関心を抱いているかを聞けるようにします。
集会の開催
1970年のアースデイでは、ニューヨーク、ワシントンDC、シカゴ、マイアミ、セントルイス、サンフランシスコなどの主要都市で大きなデモやパレードが行われ、非常に多くの人びとが集まったことが特徴でした。1990年にも、こうした集まりを世界中の都市や町で開きましょう。地域のつながりを強め、人びとの啓発、政治行動、楽しみなどのよい機会となるでしょう。
キャンパス討論会
環境というテーマは小・中学校、高校、大学での討論会になじむものです。とりわけ、どこの国でも学生はエネルギーや知識の源となり、活動的です。
メディアの取組み
アースデイ◎1990は、世界的なテレビネットワークを利用すべきです。世界中から有名なエンタテイナーや科学者、政治家などを呼んでも、あるいはさまざまな国際的イベントを行うのもよいでしょう。BBC、CBC、NHKや、その他さまざまな独立テレビ局が番組で関連する環境問題を取りあげるでしょう。
公共広告や広告
環境問題についての広告によって、ひじょうに多くの人びとにこの問題を知らせることができます。アースデイ◎1990はラジオ、テレビ、雑誌、新聞などにスポット広告などを出します。他の機関に同様の広告をだしてもらうこともよいでしょう。
音楽
音楽は文化であり、また政治を超えるものです。音楽家たちは多くの人びとを惹きつけ、強力なメッセージを伝え、社会的な問題への熱烈な支持を生み出します。最近の「ウィ・アー・ザ・ワールド」、ブルース・スプリングスティーンの「ウォー」、U-2の「サンデー・ブラディ・サンデー」やピーターガブリエルの「ピコ」などは、新しい世代に政治的な関心を引き起こすのに役立ちました。同じように、音楽はアースデイ◎1990の重要な役割を演じるでしょう。
人名録
アースデイ◎1990は、地球環境に関心を抱く名士たちをリストアップします。私たちはかれらが国中、世界中をまわって環境的な価値の重要さや、人類生存、さらには家庭や車、会社や地域社会がそれまでの環境問題への姿勢を変えさせ、話してまわるよう働きかけます。
宗教的な行事
地球を守ることは、主要な宗教の重要な教義となっています。アースデイ◎1990には、多くの宗教的グループが参加し、アースデイに関する説教や行事を行い、地球を略奪から守り、楽しく持続可能な地球を取り戻すことが緊急の倫理であることを探ります。
コンピューター・ネットワーク
現代のテクノロジーによってコンピューターやビデオの使用が可能になりました。アースデイ◎1990には、エコネット(Eco Net)その他のネットワークを通して参加グループ間の情報やアイデアの交流を行います。
みどりの服装
服装によって多くの人びとが連帯の意思表示をすることができます。アースデイには、地球の運命に関心を持っていることを示す緑色の服を着ましょう。

おわりに

 国際的な広がりの中でアースデイを行なう機が熟しています。それが成功するかどうかは、住み良い世界にするための環境闘争に、どれだけ新しい支持者や新しい世代の国際的活動家を集結できるかにかかっています。国境や文化、大陸、世代の壁を越えて、人びとの連帯を築かなければなりません。そして地球のすみずみにまで、環境の価値や環境への関心を広げ、それが政治上の選択となるよう、幅広く深い支持を得られるようにする必要があります。

 20年前には、たいていの人は「環境」という言葉の意味をよく知りませんでした。けれども、さまざまな啓発的な努力によってみんながこのことを知るようになり、今では多くの国で環境問題は最優先事項の一つとなっています。最近の認識の高まりによって、政治も変わってきました。1990年代には、すべての国がより広く関わらねばならない環境問題に直面します。

 アースデイ◎1990の目標は、今日の環境問題の新しい波に対するこうした国際的な協力関係をより活発にすることにあります。世界はきびしい環境問題に直面しています。温室効果一つをとってみても、事態を改善しようとするなら根本的な対処策が必要です。アースデイ◎1990は、こうした思い切った対策の推進を探り、来る1990年代の10年間を「国際環境の10年」として踏み出すためのものです。

Earth Day 1990


アースデイ1990「地球市民の誕生」アースデイ◎1990←→2000◎日本・東京連絡所 発行


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Last-modified: Tue, 21 Feb 2017 17:52:23 JST (68d)
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アースデイ(地球の日)は4月22日、毎年Earth Dayの期間には世界各地で持続可能な社会を表現する、自由なイベントやアクションが行われています。
アースデイJPでは、多様なコミュニティーが開催する、日本各地のアースデイー情報を発信しています。

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