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地球の気象変動と人口増加─背中合わせの問題について

世界の各地でさまざまな人生を営む人々は ─ 科学者、政府の官僚、ビジネス界や政治のリーダーや一般市民 ─ の注目を集めている地球の気候変動と人口増加には、解決策も無く足踏み状態です。対を成すこの二つは、表裏一体の問題なのです。

1950年には25億人であった世界人口は、いまや62億人を突破しました。同時進行したのが、大気中の炭素ガスの増大で、原因となったのは化石燃料の使用量が増えたこと、化学物質の製造量の増加と森林伐採の進行です。その結果、世界全体の平均気温が上昇しました。1990年代は20世紀でもっとも気温の高い10年間であり、1998年、2001年と2005年には、かつてない最高気温を観測しています。現在のような傾向が今後も継続するなら、気温上昇に拍車をかけることになる上、温室効果ガスが最も濃縮した状態に達した後にも、長年気温上昇が続く見方が主流になっています。

地球の温暖化が人類に深刻な影響を与えることが予測されています。海面上昇によって『海岸地域での冠水』『土壌侵食』『地下水源の汚染』などが引き起こされるからです。平均気温が上昇すると、耕作地の面積と住居面積が減ります。現在の気候には、より破壊的で、より頻繁に危機を引き起こす予兆があるのです。温暖化は健康被害も引き起こします。温暖化で熱波の時期は長くなり、集中的に襲ってくるようになるでしょう。降雨・降雪の傾向が極端に変化すると、水不足の状況に置かれる人口が増えていきます。温暖化と人口増加が同時進行すれば、食料生産不足になり、山腹、洪水時に流水におおわれる氾濫原、沿岸地域と湿地などの環境の変化に敏感な土地が搾取されていくのです。これらが原因となり、世界中で環境難民が発生します。彼らの移住は社会的・経済的・政治的構築を阻むことになるでしょう。

人口増加と気候変動には、危機的な関連性があります。
第1の証明:人口数と人類の行動が、温暖化拡大の主要な原因であること。国連によると、少なく見積もっても、2050年には世界人口が79億人に達します。多めの試算によると、109億人に達した人口が2050年以降も急激に増加するといわれています。人口が増大しながらも平準化した場合、増大が続く場合のいずれの条件においても、今後50年で人口増加の試算が現実化するか否かは、出生率と死亡率、家族計画のサービスと教育が、特に開発途上国でどのように展開されるかにかかっています。世界規模の温暖化と、それが引き起こす社会、経済、環境に与える問題に、人口問題が大きく影響していくことでしょう。
第2の証明:気候変動の被害を受ける人々の数は、全体の人口により左右されます。人口が増加することで、海面上昇・降雨量パターンの変化や温暖化が引き起こす様々な問題に、社会の対応や順応に制約が生じてしまいます。

1997年の気候変動に関する京都議定書が批准されていたと仮定すると、38の工業国それぞれが、温室効果ガス排出量を2010年までに、1990 年比で平均5.2パーセント削減する申し合わせが成立したはずでした。開発途上国に温室効果ガス排出量の制約は設けられなかったのは、温暖化問題を引き起こしているのは先進国であり、これらの国々に議定書は「初歩的措置を講じる」ことを義務付けたからです。

『1人あたりの』CO2排出量と『国別』CO2排出量とは、明確に分けて考える必要があります。世界全体のCO2排出量と人口増加は密接な相関関係にあるにもかかわらず、『1人あたりの』CO2排出量は過去30年間ほぼ横ばいで推移しています。『1人あたりの』CO2排出量の数値のみでは、『国別』の大きな格差という現実が見えてきません。例えば1988年、平均的なアメリカ人は平均的なメキシコ人の5倍、平均的なインド人の19倍もの CO2を排出しました。1995年度の別の統計によれば、『1人あたりの』CO2排出量が最も多い国々に住む世界人口の20パーセントの人々が、化石由来燃料の総排出量63パーセントを占めているといわれています。

対比される『国別』排出量とは、ある一国の排出量で、国の大きさと『国民1人あたりの』化石燃料使用量を反映しています。国民7人分のCO2排出量を合わせてもアメリカ国民1人分の排出量にも満たない中国が、温室効果ガスの主要な発生源となっているのは明らかです。先進国が自国の問題に取り組むまでは、開発途上国に排出量削減義務が全く無いわけではありません。何の手段も講じなければ、途上国と先進国間の不公平さが持続するのみでしょう。

開発途上国の『1人あたりの』CO2排出量は先進国よりはるかに低いのですが、較差は現在縮小しつつあります。将来、気候変動に関する世界的な取り決めには、人口増加と減少、国家間の人口移動、『1人あたり』のCO2排出量が途上国と先進国でどのように変化するかを検討しなければなりません。京都議定書は重要な第一歩です。

世界人口増加の速度を緩和させようと、長年にわたり国際的な協力が続いていました。しかし、多くの国で出生率は今なお高いままです。四半世紀におよぶ調査によれば、自主的な家族計画が普及し、女子が教育を受ける機会と、女性の社会参画の機会が増えれば出生率は減少に転じるということです。実際のところ、人口統計学の傾向を注意深く見極めなければ、気候変動の脅威に対処するための長期戦略は成功しないでしょう。開発途上国がCO2排出規制の枠組みに参加する基本として、これら全ての要因を検討すれば、結果として、気候変動対策の効果が発揮されるでしょう。

人類の存在と活動による地球の大気と気候へ与える影響は動かしがたい事実である。という点で世界中の科学者たちの見解は一致しています。人口増加と気候変動の間に密接な関連があるならば、政策に十分取り込まれるべきで、一つの問題として解決にあたるべきです。温室効果ガス削減の長期的な戦略が公正に行われるためには、現在の『1人あたりの』CO2排出量が『国別』では大きな格差があることを、考慮に入れねばなりません。効果的で自主的な家族計画が実行され、婦女子に教育と社会参画を促すことが、適切な人口政策の中核を成すと同時に、温室効果ガス削減への重要な手掛かりとなるでしょう。

今対策を講じれば、人口増加と気候の変動が、急速でもなく脅威でもなくなる日も遠くは無いのです。各国政府が適切な人口政策を導入し、エネルギー生産と消費の分野で技術を革新すれば、次の世紀の半ばまでには、人口とCO2排出量の増加が『反比例』に転じることもありうるのです。

★翻訳:西郷敦子?古宮美紀子?


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