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1997年5号〜議長国としての資格を問われる日本政府
 

議長国としての資格を問われる日本政府

気候フォーラム事務局次長 早川光俊

進展しない議定書交渉

7月31日〜8月7日までボンで第7回ベルリンマンデート特別会合(AGBM7)が開催された。135ヵ国の締約国の代表団、国連環境計画などのオブザーバーと環境NGO、産業NGOなどが参加した。会議は、最初の全体会合で4つのノングループ(数値目標、政策と措置、組織と機構問題、途上国問題)が設置され、そのほとんどが非公開とされた。達成期限を複数年とすることや目標の過剰達成の場合に過剰分を繰越できるとする「バンキング」についてはほぼ合意ができたとされるが、具体的な数値目標や政策と措置の在り方については各国の主張が対立したままで交渉はほとんど進まなかった。途上国問題では、先進国の率先的な削減の実施を求め、新たな対策が求められるなら新たな資金メカニズムが必要とする途上国と、議定書に途上国の新たな対応(コミットメント)を盛り込むべきとするアメリカなどの主張が対立した。AGBMの直前に、アメリカの上院で「アメリカ経済に悪影響を与える国際約束に反対し、途上国のコミットメントを求める」決議が全会一致で採択されたこともあり、途上国問題は議定書交渉のネックになりかねない。

「Kyoto Killer Target 」事件

外務省はAGBMの前に記者会見し、具体的な数値目標は9月以降に先送りし、今回は提案しないと言明していた。ところが、8月2日の読売新聞の夕刊の一面トップに「日本がアメリカに、2010年から2015年の間に、1人当たり排出量を3トンか、総排出量を1990年レベルにするかの選択性の提案をしたとの記事が掲載された。この記事どおりとすれば、削減どころか、大幅な増加を許しかねない提案になる。このニュースがボンにもたらされたのは、8月2日の午前8時前である。早速、日本から参加しているNGOやCAN(気候行動ネットワーク)のメンバーが集まり対応を協議した。そして、これが事実とすれば2010年に111%もの大幅な増加が許されることになることを「eco」の号外を出して知らせようということになった。午後1時前(日本時間で午後8時前)には、「Kyoto Killer Target」の見出しのおどる「eco」の号外が会議場に運び込まれ、1時頃にはほとんどすべての政府代表団が「eco」の記事を読んでいるという状況を作り出すことができた。その結果、8月4日の午前中に開催された全体会合で、日本政府の代表が「eco」に書かれたような大幅な増加を許すような提案はしていない」と弁明せざるをえなくなった。公式の会議でNGOのニュースの記事に正式に反論するなどということは前代未聞のことである。

COP3での削減議定書の採択に向けて

環境庁は、「議定書の形に近い構造の新たな、スリムな条文案が作成されたことは大きな成果」と総括するが、残された期間を考えるとき、COP3で削減議定書が採択されるかは予断を許さない状況と言わねばならない。ところが、議長国に予定されている日本政府は未だに具体的な削減目標すら提案できていない。会議の最終日に記者会見したエストラーダAGBM議長は、日本とアメリカが具体的な削減目標を提示しないことが議定書交渉を遅らせていると非難したが、まさに議長国としての日本の強力なリーダーシップが求められている。気候フォーラムでは、日本政府に具体的な削減目標と達成期限を提案することと、COP3の議長を橋本首相自らが務めるなど、首相が先頭にたって、削減議定書の採択に向けた強力なリーダーシップを発揮することを求める緊急要請署名に取り組むことにした。是非、御協力をお願いしたい。


内閣総理大臣 橋本龍太郎 様

日本政府にCOP3での削減議定書採択に向けてのリーダーシップを求める緊急要請書

今年12月1日かえら10日まで京都で開催される気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)では、二酸化炭素などの温室効果ガスについて、実効性ある削減効果の達成期限を決めることになっています。地球温暖化のもたらす影響の深刻さを考えるとき、この会議の成否に人類の将来がかかっているといっても過言ではありません。

ところが、議長国に予定されている日本政府は未だに、具体的な削減目標と達成期限を明らかにしようとせず、このことが削減議定書の採択に向けた交渉の障害になっています。このままでは、議長国みずから削減議定書の採択を妨害する事態を招くことになりません。

日本は世界第4位の二酸化炭素の排出国として地球温暖化の防止に大きな責任を負っているだけでなく、COP3の議長国に予定されている国としての特別の責任を負っています。

私たちは、COP3での削減議定書の採択に向けて、日本政府に対し次の事項を強く要請するものです。

一 地球温暖化防止に実効性のある具体的な削減目標と達成期限を提案すること

一 COP3の議長を首相自ら務めるなど、首相が先頭に立って、削減議定書の採択に向けた強いリーダーシップを発揮すること


気候フォーラム

〒604京都市中京区高倉通四条上ル高倉ビル305 (Tel 075-254-1011 Fax 075-254-1012)

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