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特集:スタイニーボトルはどこに行ってるの?

かつて昭和39年に「アサヒスタイニー」の名で同様のビンビールが発売されヒットとなりました。今年のスタイニーボトルは、その復刻というよりは、時代がそれを受け容れるようになったタイミングを慮って、全く新しいコンセプトを有した新商品として出たものです。「品質」「機能性」「ファッション性」を商品コンセプトに掲げ、念入りなマーケティングの末に世に出されたアサヒビール?のスタイニーボトル。商品コンセプトと時代のニーズがマッチしていたことの表われか、今年4月の発売以来、生産が追いつかない状況が続き、9月に入ってようやく全国発売されるという話、大いにうなずけます。

アースデイ連絡所の内輪でも、このスタイニーボトルは話題になっていましたが、その好調さの理由や世に出るまでの秘話、そして忘れてはならないもう一つのコンセプトである「環境にやさしい」の真相などをきいてみよう、ということになり、サラリーマンボランティアが夏休みを利用して取材してきました。

質問(1) 開発に到った経緯を教えてください。

アメリカでは、ビンで直接飲むのが主流。日本でも缶ビールのように手軽にビンビールを飲みたいというニーズはあった。10年以上前からコンセプトを温めつつ、アンケート調査を重ね、「できれば家庭でも缶よりビンでビールを飲みたい」という意向が安定して存在することに着目。さらに、公の調査で、「リターナブルビンを支持する」「環境にいいものを選ぶ」とする意見が全体の3分の2あったことから、環境問題への配慮が求められていることをつかむ。このことから、消費者ニーズと環境ニーズを満足する商品が開発されるに到った。

質問(2) 「スタイニーボトル」の「スタイニー」、語源と意味は?

スペルで書くと、“STEINY”。スタイニーとは「陶製のジョッキ」を意味する英語「STEIN」から生まれたネーミング。ジョッキでビールを楽しむように、「スタイニー」を片手にあらゆるシーンで味わっていただくことをイメージしている。

質問(3) 他のビンとの違いを教えてください。

陶製ではないが、ビンの形が寸胴ということもあって、強度はある(大ビンよりも強い)。又、大ビン・中ビンの耐用年数は5〜8年だが、スタイニーボトルは、10年程度は持つものと推定している(ビールビンは通常、3〜4カ月周期で回収され、平均20回は再利用されるとのこと)。

空ビンの状態で従来の小ビンと比べて約20%軽量化している。小ビンは業務用なのでふだん目にしないが、小ビンが大ビン・中ビンをミニチュア状にしたものなのに対し、スタイニーボトルは商品棚への並べやすさ、冷蔵庫ドアポケットへの収納のしやすさなどを考慮した高さ・形状になっている点で優っている。

質問(4) なぜ、スーパードライとDUNKだったのでしょう?

スーパードライはアサヒビール全銘柄のうち、90%を占める主力製品。スーパードライは当然としても、お客様に選ぶ楽しみを提供する上で、もう一つ違うタイプを用意した。

質問(5) 出荷本数に対する回収本数は?

発売後のビンが回収されて戻ってくる周期は、3〜4カ月。現在は4月発売の最初のビンが戻り始める時期であり、回収率の算出にはある程度の期間が必要である。回収率をデータとして算出するのは市場で回収リサイクルの定着する少なくとも1年後(ビールビン全体の回収率は約97%)。 従って、回収率とはいえないが、4月に発売した第一次発売地区における出荷量に対する回収量の割合は、発売3カ月後の7月において、7割という初期の目標を大きく上回るものとなっている。

質問(6) 販売店は回収に協力的でしょうか?又、保証金制度は有効に機能しているでしょうか?

ビンの回収を進めることで、客足が伸びるという期待が販売店にある。一度ビンビールを買いに来たお客様が、ビンを戻しに来ることで、同じお客様に2度ご来店いただける(来店頻度が高まる)という利点から、積極的に回収に取り組んでいる販売店も多い。若い客層が多いコンビニでの回収を高め、保証金を返す仕組みを定着化させていきたい。

販売価格は店によりバラツキがあり、保証金5円分をはじめから差し引いて、例えば189円で売るところもあるが、回収に要する費用は手数料として、アサヒビールから販売店に還付するようにしているので、回収するのに負担はかからない。

質問(7) スーパードライにおける缶、ビン、樽、スタイニーの販売比率を教えてください。

形態としては全部で13種類。缶(1000、750、500、350、250、135ml)、ビン(特大・大・中・小・スタイニー)、ミニ樽(3000、2000ml)に分かれているが、比率は、缶:53%、ビン:34%、樽:12%というのが現状。

質問(8) イージーオープンキャップはゴミになるのでは?

栓抜き不要がセールスポイントなので、ゴミになる点よりも、利便性を優先した結果、と考える。キャップは、アルミ原料とライナーと呼ばれるポリエチレン製の部分でできているが、アルミの回収に回せば、アルミ素材として100%再資源化される。キャップも分別回収してもらえれば幸い。

質問(9) シュリンクラベル(ビン全体を包むフィルムラベル)も再資源化されるのでしょうか?

ラベルは、回収後はがされ、細断され、カーペット原料や道路舗装の路盤材として再利用される。ちなみに普通のビールビンに貼られている紙ラベルも、はがした後はラベル粕となり、製紙工場で加工される。工場では本来ならゴミとなるものも徹底して分別して、全て再資源化している。

質問(10) ビンでそのまま飲むことに対する反応について知りたいのですが。

市場調査で明らかになった通り、ビンでそのまま飲みたいという潜在ニーズが高かったことから商品化しているので、反応は良好。客層を20代・30代としたねらいも当たり、購買者の約70%が、20〜30代になっている。

質問(11) スタイニーを出しているのはアサヒビールだけでしょうか?

ビール産業は設備・装置型の業態なので、設備投資が焦点になる。現在はアサヒビールが生産している。国内では一部外国産ビールが形の似たボトルを出しているが、回収はしておらず、ワンウェイビンである。

質問(12) 海外進出の予定はありますか?

日本国内での全国展開がまだまだなので、海外への展開は目下検討中。

缶とビンの良さを融合したスタイニーボトル。お話を伺ったアサヒビール株式会社マーケティング部 林副課長からは、「品質」「機能」「ファッション」「価格」「環境」がコンセプトであるとのコメントをいただきました。この場を借りて、取材協力に対する御礼を申し上げます。ありがとうございました。


アサヒビールでの取材に続いては、実際の販売店での回収状況について、アースデイ東京連絡所スタッフが調査した結果の一部を紹介する。(なお、保証金はいずれも5円だった)

販売店形態

所在地

売上対回収状況

店のコメント

酒店

東京都

5ケース出ると1ケース返る程度

ケースで売ればそのままケースに入って返ってくる。捨てる人も多いようだ。

コンビニ

東京都

売れているがあまり戻ってこない

ビンビールはスタイニーのみ販売

商店

埼玉県

1カ月で2ケース程度 回収率はほぼ100% …「大ビンと保証金が同じ」なのがウケている

「スーパーには返しにくい」と持ってくるお客が多い。スーパーも回収の努力を!

スーパー

埼玉県

売上はノーコメント 回収率は3割程度

発売当初は売れていたが、最近はあまり

酒店

埼玉県

78ケース出ている 回収率は8

販売時にお客に回収の協力をよびかけている。回収をよびかけるCMを続けてほしい。

ディスカウント店

千葉県

売上はノーコメント 回収率は6


容器包装リサイクル法ひとくちメモ

この法律(正式名称:容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)は、「容器包装に係る分別収集及び再商品化を促進するための措置を講ずること等により、一般廃棄物の減量及び再生資源の十分な利用等を通じて、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用な確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的に、1995年6月16日に制定、昨年4月より一部が施行(2000年から本格的に施行)されています。

これにより、市町村のみが廃棄物処理の責任を負うだけでなく、消費者・市町村・事業者のそれぞれが責任を分担する仕組みができました。−(1)消費者は分別排出、(2)市町村は分別収集の義務、(3)事業者はリサイクル(再商品化)の義務〈a.自主回収(90%の回収率が条件)−再商品化義務の免除、b.指定法人への委託、c.認定を受けて行う再商品化〉

しかし、この法律にも問題点はいくつかあります。その一つにリターナブルよりリサイクルに重点がおかれているため、使い捨て容器がリターナブル容器に比べて優遇されてしまうという問題があります。現在、いくつかの生協では企画を統一した数種類のビンを再使用すること(再使用のコスト(回収費用+洗浄費用)を独自負担)で資源節約に努めているわけですが、なかなか自主回収の認定を受けるための条件(90%の回収率)を達成することは困難で、指定法人への委託料を支払わなければなりません。一方の使い捨て容器は、再商品化費用のうち、回収費用などが市町村負担になるなど一部税負担されており、使い捨て容器が有利となっているという問題です。

こうした容器包装リサイクル法の問題点を改善しようと、デポジット法(デポジットの義務づけ)制定を求めるグループや、容器製造時に相応の負担金をかけることで、リターナブルを促進しようというグループも積極的に活動しています。

 
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